連載コラム「旅するようなお茶時間」
「ホコト」マネージャーが選ぶ一冊の本
第一回『イギリスの心地いい暮らし 小さな愉しみ』
________________________________________
はじめまして。
今回から【旅するようなお茶時間】というコラムを担当させていただくことになったhanaです。どうぞよろしくお願いいたします。
少し自己紹介いたしますと、2022年の2月まで神戸市内で「本のあるカフェ ホコト」という小さなブックカフェをマスターとふたりで営んでいました。そこは本棚に囲まれて”ひとり時間”を過ごしていただく静かなカフェで、本と一緒にコーヒーとスパイスカレー、そしてあんバタートーストなどオリジナルメニューを提供していました。現在は実店舗はなくなり、そのコンセプトを引き継いだウェブサイトを運営しています。
店名の[ホコト]とは、本・コーヒー・トーストの頭文字を取った造語で、本棚に並ぶ約950冊の本は元図書館司書のマスターがジャンルを限定せず、お客さまの知的好奇心の扉を開きたいという思いで一冊ずつ選んで棚に並べていました。
このコラムではその流れを汲みつつ、ハヴァナイストリップさんのコンセプト〜旅発想からはじまる大人のライフスタイル〜に合わせ、日常の中でふと感じる”旅するような時間”と一冊の本を、お茶のシーンを交えて定期的にお届けしていく予定です。
そもそも「旅」の定義はとても広く、実際にどこかへ足を運ぶ以外にも本や映像、音楽や景色、そして食べ物などからも五感を通じて「心の旅」をすることができます。
今回ご紹介する本『イギリスの心地いい暮らし 小さな愉しみ』(smile editors 編、学研プラス、2022年)には、暮らしの中の小さな幸せや発見が365日ダイアリーとして綴られています。特にうれしいのは実力派の書き手が12人もいること。それぞれの違った目線で描かれるイギリス暮らしの短い読み物は手に取るたびに学びがあり、添えられた写真も個性豊かでとてもカラフルです。
例えば6月12日のコラムは「イギリス発祥のハンギング・バスケット」について。重厚な建物や曇りがちな天気と調和させるため、吊るしたバスケットにペチュニアやゼラニウムなどの色鮮やかな花を飾る風習が生まれたのだそうです。春から夏にかけては色彩豊かなバスケットが町並み全体を美しく飾り、人々の目を楽しませている様子が紙面からも感じ取れます。
他にも伝統的なティールームではなくコーヒーのお店が増えてきたという昨今のカフェ事情や音楽教育のこと、交通ルールや美術館、映画館の話など興味深い話題が続々と。最近のニュースではエリザベス女王在位70年祝賀コンサートの冒頭に、くまのパディントンと女王陛下がお茶をするシーンが放送されて話題を呼びましたね。ハンドバッグからマーマレード・サンドイッチを取り出すお茶目な演出についにっこり。そうなんです、こよなくお茶時間を愛する国民性、それもイギリスの一面です。
長いコロナ禍を経て少し自由度の上がった今、実際に町へ出かけて「小さな旅」を探していくのもいいかもしれません。次回はお出かけ編として、カフェでお茶しながら本の紹介をする予定です。どうぞお楽しみに。
文と写真:hana(ウェブサイト「HoCoTo」マネージャー)
3歳から一貫してピアノとパンが好き。モットーは毎日のお茶時間を豊かに過ごすこと。よく読むのは旅や暮らしのエッセイ、小説など。
外側と内側のステンレスボディの間に、真空状態を生み出す真空断熱層で約6時間保冷と保温をキープします。
✔️テイクアウトカップがそのまま入る大きさ。美味しい温度を保ちます。
✔️おうち時間の楽しみに。アウトドアに。様々なシーンで楽しめます。