連載コラム【 旅するようなお茶時間 】vol.4

「ホコト」マネージャーが選ぶ一冊の本
 第四回 『YUMING TRIBUTE STORIES』(新潮文庫刊)

こんにちは、hanaです。暦の上では「大暑」もっとも暑い真夏の候とされていますが、いかがお過ごしでしょうか。今回もハヴァナイストリップさんのコンセプト~旅発想からはじまる大人のライフスタイル~に合わせ、日常の中でふと感じる ”旅するような時間” と一冊の本を、お茶のシーンを交えてお届けしていきたいと思います。

今回選んだのは松任谷由実(以下ユーミン)デビュー50周年を記念して刊行されたオリジナル小説集。ユーミンの名曲タイトルから、現代を代表する実力派6人の女性作家が奏でる新たなストーリー。ラインナップはこちら。

『YUMING TRIBUTE STORIES』(新潮文庫刊)2022年7月
著者は曲の年代順に
小池真理子「あの日にかえりたい」(1975年シングル曲)
桐野夏生「DESTINY」(1979年『悲しいほどお天気』より)
江國香織「夕涼み」(1982年『PEARL PIERCE』 より)
綿矢りさ「青春のリグレット」(1985年『DA・DI・DA』より)
柚木麻子「冬の終わり」(1992年『TEARS AND REASONS』より)
川上弘美「春よ、来い」(1994年シングル曲)
解説:酒井順子 カバーデザイン:森本千絵

ユーミンを好きな方はもちろん、そうでなくてもおそらく知っている名曲ばかり。この小説集では曲の世界観を大切にしつつ、それぞれの作家さんならではの視点からまったく違うストーリーに仕立て上げられています。自ら歌詞を書きメロディーをつけて歌う”シンガーソングライター”としてのユーミン。同時にその時代を生きるアイコンとして、ファッションリーダーとして、私(先にカミングアウトしておくと、バブル期を経験した昭和40年代生まれ)にとっては常に一歩前を歩く力強いお姉さんという存在です。そして今も現在進行形で新作を出して全国ツアーを回っている、そのかっこいい姿に憧れます。

この文庫本を楽しもうと涼を求めて入ったのが、平日の昼下がりのロイヤルホスト。ふだん読書は自宅中心ですが、出かけ先で密かに愛用している穴場的存在がファミリーレストランなんです。ランチのお客さんも途絶えてゆったりした店内の広々したブース席で、まずはパフェを注文。夏メニュー「キャラメルナッツブリュレ」はキャラメリゼしたバナナと塩キャラメルアイス、そして下にはベルギーチョコアイスが層を成す大人向きデザート。バナナの甘さとチョコのほろ苦さを味わいながら、江國香織さんの「夕涼み」を読みました。

これから嫁ぐ妹とそれを祝う姉。ふたりは子供の頃から大の仲良しで、だからこそお互いの幸せを心から願ってやまないのですが、大人になったふたりにはそれぞれの言えない事情もあり、それにユーミンの歌詞「二人きりの夕涼みは 二度と来ない季節」がどのように絡むのか。それは読んでのお楽しみ。
他の作品もすべて読み応えありましたが、特に印象に残ったのは川上弘美さんの「春よ、来い」でした。キーワードは、ユーミンファンにはお馴染みの苗場コンサートです。

今回のお出かけは、第一の目的が運転免許更新の手続きでした。5年間使用する写真を撮るので気に入ったお洋服を着たい、しかも上半身の顔写りの良いもので。そう考えて選んだのがこちら、ハヴァナイストリップさんのラグランTシャツとテーパードパンツ。ラグランTシャツは素材がシルケット綿で、肌触りも質感も心地いい。胸元から袖にかけての切替や袖口の段差は、ちょっぴりユーミンのステージ衣装風? 色は大好きなブルーグリーンなので、それに合わせてペンダントも同色でまとめました。

テーパードパンツは綿麻素材でこちらもさらりとした履き心地。ウエストはゆったりめですが足首が見えるデザインなので、かかとのある靴やサンダルを選ぶとスタイル良く見える効果が嬉しいポイント。春に買ったハヴァナイストリップさんのロングスカーフを冷房対策として持ち歩き、冷えてきたら首にかけたり羽織ったり。パンツスタイルにロングスカーフはこれまたユーミンみたい、と思うのは私の勝手な妄想として。

これから暑さは本番ですが8月初旬には立秋を迎え、朝晩の風に涼しさを感じられるようになるはずです。次回は池澤夏樹さんの『南の島のティオ』というファンタジーと共に、お盆休み前後の自宅ライフをお届けしたいと思っています。どうぞお楽しみに。

文と写真:hana(ウェブサイト「ホコト」マネージャー)

3歳から一貫してピアノとパンが好き。
モットーは毎日のお茶時間を豊かに過ごすこと。
よく読むのは旅や暮らしのエッセイ、小説など。
今回のコラムのスピンオフも公開中です。

今回のコラムに登場したカットソーはこちら♪

yamaoka
連載コラム 旅するお茶時間

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